
「フェイスラインは少し整った気がするけど、なぜか頬がこけて見える?」
特にもともと顔にあまり肉がない方は、こうした変化がより気になるかもしれません。リフティングを受けたつもりが、かえって顔が長く見えたり、頬骨の下がへこんだように見えたりすると、 「もしかして頬こけが起きたのでは?」 という心配が生じるためです。
しかし、ここで一つ区別しておくべきことがあります。
頬がこけて見えることと、実際に頬の脂肪や組織が減ったことは、同じ話ではありません。
ウルセラ後に顔が違って見えたからといって、すべてを脂肪の減少で説明できるわけではなく、反対に実際の変化が疑われるケースまで単なる錯覚として片付けてもいけません。

ウルセラ後に頬がこけて見える理由は一つではありません
施術直後の顔は、普段と少し違って見えることがあります。
ウルセラは皮膚の奥深くにマイクロフォーカス超音波エネルギーを届ける施術のため、施術後に一時的なむくみ、押したときの痛み、発赤などが現れることがあります。現在のウルセラ公式添付文書でも、顔と首の施術後に軽いむくみや押したときの痛みなどが一時的に現れることがあると案内しています。
問題は、こうした初期の変化が引いていくにつれて、顔の輪郭が以前よりはっきり見えることがあるという点です。
例えば、フェイスライン周りのむくみが引いたり、顔全体の影の出方が変わったりすると、実際のボリュームは減っていなくても 頬骨の下がより深く見える錯覚が生じることがあります。
施術前後の写真を撮ってみると、「頬がこけた気がする」と感じた変化が、実際にはフェイスラインが整ったことと陰影の変化だったというケースもあります。
そのため、施術直後に一度鏡を見ただけで、頬こけかどうかを判断するのは適切ではありません。
ウルセラはもともと脂肪を減らす施術ではありません
ウルセラの基本的な目的から見ると、わかりやすくなります。
ウルセラは、マイクロフォーカス超音波(MFU-V)を用いて特定の深さに熱凝固点をつくり、皮膚と組織のリフティングやハリの改善を促す機器です。現在の米国FDAの承認範囲は、眉、首、あご下の皮膚のリフティングやデコルテのしわの改善などに焦点を当てています。
つまり 顔の脂肪を減らすための脂肪溶解施術として承認された機器ではありません。
ただし、ここで「だから頬こけは絶対に起こらない」と断定してはいけません。
実際の施術では、顔の解剖学的構造や脂肪の分布、皮膚の厚さ、照射範囲や深さなどがすべて関わってくるためです。

では、実際の頬こけの事例はないの?
この点は、もう少し正確に見る必要があります。
2024年に発表されたMFU-Vに関するシステマティックレビューでは19件の研究、506人のデータが検討され、臨床文献で主に報告された反応は一時的なむくみ、紅斑、施術後の痛みで、重大な有害事象は多くありませんでした。ただし、 1件の皮下萎縮(subcutaneous atrophy)が報告されています。研究チームは別途、市販後の医療機器有害事象データ(MAUDE)106件も検討し、脂肪萎縮(lipoatrophy)や神経関連の症状などが報告されていましたが、その多くは査読を経ていない未検証の事例であるという限界を指摘しています。
この違いが重要です。
「頬こけを訴える事例が報告された」という事実と、
「ウルセラは一般的に頬の脂肪を減少させる」という主張は、同じ意味ではありません。
現在公開されている根拠だけで、ウルセラを顔の脂肪を減らす施術とみなすことはできません。だからといって、実際に施術後に顔のボリュームの変化を感じた方の経験を、すべて錯覚と断定することもできません。
そのため結局、 個人の施術前後の状態を比較して判断するプロセスが必要です。
頬こけのように見えるときは、次のような違いを確認します
診察室では、「頬がこけた気がします」という言葉だけで脂肪の減少の有無を判断することはありません。
正面と横から顔を見て、施術前の写真と比較しながら、どの部位に変化が現れたのかを確認します。
例えば、
頬全体が均一に減ったのか
頬骨の下のように特定の部位だけがへこんだのか
フェイスラインがくっきりしたことで、相対的に頬がこけて見えるのか
施術後のむくみが引いて、もともとの顔のラインが現れたのか
を見分ける必要があります。
特に顔の片側だけが目立ってへこんで見えたり、特定部位の輪郭の変化がどんどんはっきりしたりする場合は、単なる照明や陰影だけでは説明しにくいことがあります。

顔の肉が少ない方は、より慎重なアプローチが必要です
「私はもともと頬の肉があまりないのですが、ウルセラを受けても大丈夫ですか?」
これはとても現実的な質問です。
もともと顔のボリュームが少ない方にリフティングを計画する際は、単に どれだけ強く引き上げるかだけを見るのではなく、 どこを改善し、どこを温存すべきかをあわせて考える必要があります。
特に頬の前面や頬骨の下のように顔の立体感をつくる部位は、やみくもに強く治療すれば良いというものではありません。
顔の脂肪量だけでなく、皮膚の厚さ、たるみの程度、骨格や現在の輪郭まであわせて確認する必要があります。
そのため、同じウルセラでも、すべての人に同じ範囲と深さで適用するのは適切ではありません。
ウルセラを何ショット受けたかもあわせて見るべき?
先に執筆した ウルセラ300ショット 600ショット 記事でご説明したとおり、ショット数だけで結果を判断することも困難です。
300ショットか600ショットかよりも、 どの部位にどの深さでショットが入ったかのほうが、より直接的な意味を持つためです。
ウルセラシステムは深さに応じて異なるチップを使用でき、リアルタイム画像で組織を確認しながら治療計画を立てられるよう設計されています。
そのため、顔のボリュームが少ない方が単に「ショット数を少なくすれば安全」と考えるのも正確ではありません。
ショット数とあわせて、治療範囲や深さ、顔の中で温存すべき部位をどのように設定したかまで見る必要があります。
ウルセラ後の頬こけが心配なら、いつまで様子を見るべき?
施術直後は、少し様子を見る必要があります。
公式添付文書によると、顔・首の施術後の軽いむくみは通常3〜72時間、押したときの痛みは2日〜2週間ほどで改善するとされています。一時的な神経関連の症状が現れた場合でも、多くは数週間以内に回復すると案内されています。
そのため、施術の翌日に顔が普段よりこけて見えたり凸凹に見えたりするというだけで、長期的な頬こけを判断することは困難です。
ただし、時間とともに変化が落ち着くのではなく、 特定部位のへこみがどんどん目立ったり、ひどくなったりする場合は、ただ待つのではなく、施術を受けた医療機関で確認することをおすすめします。
体重が減った場合は、ウルセラのせいとは言いにくいものです
施術後に顔がこけて見えると、ウルセラのことだけを考えがちですが、顔のボリュームはさまざまな要因の影響を受けます。
最近体重が減った、あるいは食事量や運動量が大きく変わった場合は、顔の脂肪も一緒に減ることがあります。
また、他のリフティング施術や脂肪減少を目的とした施術を併用した場合は、どの治療が顔の変化に影響したのかを一つに絞って判断することが難しくなります。
そのため、カウンセリングの際には、ここ数か月の間に受けた 他の施術や体重の変化まであわせてお話しいただくことが大切です。

ウルセラとソフウェーブで迷っているなら?
先に執筆した ソフウェーブ vs ウルセラ の記事ともつながる内容です。
どちらの施術も超音波を使用しますが、エネルギーの届け方と主なターゲットが異なります。
ソフウェーブは真皮層を中心に肌のハリと小じわの改善を目指し、ウルセラピー・プライムは複数の深さに超音波エネルギーを届けて、皮膚とより深い組織のたるみをあわせて評価できます。
したがって、 ボリュームが少ない顔だからといって、ソフウェーブかウルセラのどちらかを必ず除外するという決め方をする問題ではありません。
今の顔で最も大きな問題が肌のハリなのか、組織のたるみなのか、あるいはボリュームそのものの不足なのかを、まず見分けることが先決です。
→ ソフウェーブ vs ウルセラ、どちらもリフティングだけど、私の顔に合うのはどっち?
「頬こけが心配ですが、ウルセラを受けても大丈夫ですか?」
この質問には、実際に顔を見て判断するのが最も正確です。
もともとボリュームが少ない顔なのか、すでに頬がへこんでいるのか、たるみがどの程度あるのかによって、治療の方向性が変わるためです。
カウンセリングの際は、単に
「頬こけは起きますか?」
と尋ねるよりも、
「私の顔でリフティングが必要な部位と、ボリュームを温存すべき部位はどこですか?」
と尋ねるほうが、より具体的な答えを得られます。
また、施術前に顔の写真を残しておくのもおすすめです。同じ照明・同じ角度で撮影しておけば、施術後の変化が実際のものなのか、むくみや陰影の違いなのかを判断するのに役立ちます。

ウルセラ後に頬がこけて見えたら、このように確認しましょう
施術後に鏡を見て、片方の頬が少しへこんで見えると感じても、すぐに結論を出す必要はありません。
まずは 同じ角度と照明で、施術前の写真と比較してみてください。
次に、変化が全体的に現れているのか、特定の部位に限られているのかを確認します。
むくみや押したときの痛みなど初期の反応も伴っている場合は、回復過程も考慮する必要があります。
反対に、時間が経っても特定部位のへこみがどんどん強くなったり、片側だけがはっきり変化したりする場合は、医師に診てもらうことをおすすめします。
写真やインターネットの口コミだけでは、実際に脂肪が減ったかどうかを見分けるのは難しいためです。
結局、ウルセラの頬こけはどう考えるべき?
ウルセラは基本的に、顔の脂肪を減らすための施術ではありません。公式な適応もリフティングとしわの改善に焦点が当てられています。
臨床文献でも有害事象のほとんどは一時的なむくみ、紅斑、痛みなどで、皮下萎縮が報告された例はごく限られていました。一方、市販後のデータには脂肪萎縮などを訴える報告もありましたが、その多くは因果関係の確認が難しい未検証の事例という限界があります。
そのため、 「ウルセラで頬こけは絶対に起きない」あるいは「ウルセラは脂肪を溶かす」のように一文で決めつけるよりも、施術後に実際の顔にどのような変化が現れたかを見ることが大切です。
特にもともと顔のボリュームが少ない方や、すでに頬がへこんでいる方は、 顔全体を同じように引き上げるのではなく、温存すべきボリュームとリフティングが必要な部位をあわせて設計するアプローチが必要です。
結局ウルセラで大切なのは、どれだけ強く、どれだけ多く照射するかではなく、 自分の顔のどこを変え、どこを守るべきかを先に決めることです。
※ウルセラピー・プライムの適応や施術範囲は、顔の皮膚の厚さ、脂肪量、たるみの程度や解剖学的構造によって異なります。施術後に予想と異なる輪郭の変化が続く、または悪化する場合は、施術を受けた医療機関で診察を受けてください。